尾道三彩有神窟
尾道の町並み、風景は、どこか懐かしく、古いアルバムを開いたかのように想い出に浸れます。
初めて訪れたのに、懐かしい。なぜ?
以前は、日本のあちらこちらで見れた景色でしょう。でも、忘れかけられてるのではないでしょうか。
海あり、山あり、それに風が吹き、自然の中で育む生活が、風景の中に見えるのではないでしょうか。
おごらず、謙虚にそれらを受け入れ、また、その自然を崇めながら、生活を営んでいる人々。
そんな風景を見ながら、自然との融和を感じつつ、その自然に崇敬の念を感じたとき、それを表現したいという感情が生じました。
大地より土を貸して頂き始めてゆく、陶芸の手法に自然に対する気持ちを盛り込めたい。
海あり、山あり、風がありの尾道の生活の営みを、三彩の色・形によって表現をしたい。
そんな思いで三彩の手法に導かれました。
三彩焼きとは
三彩といえば、中国・唐代につくられた唐三彩が有名です。唐三彩は低火度焼成(低温で焼かれた物)で、器だけでなく、貴族の葬礼、副葬品として馬や人形・家財を模ったものが多いです。陶質の素地に白化粧または
透明釉をかけた後、緑や褐色の鉛釉を加えることで三つの色が、お互いに入り混じり、また低温で焼くために発色する鮮やかな色や独特の「流れ」が特徴でしょう。コバルトの藍釉が加わったもの、緑と白、青と白といった二
彩のものを含めて呼ぶことが多いです。その美しさと技術はシルクロードによって広範かつ長きに渡って多大な影響を与えてます。
この当時の低温焼成で忠実に再現すると、釉に含まれる鉛毒や、素地のもろさで壊れやすい等の問題もありますが、有神窟の尾道三彩は、1250〜60度の高温で本焼成されており、十分な強度が確保され、高温でも三彩の
発色を生かす様にされています。
作家の紹介
陶芸家 金野 光賀 氏
茶道に「一期一会」との言葉があります。
お茶会において毎回、一生に一度限りであるとの思いを込めて、主客とも誠心誠意、真剣に行うこと。との意のある言葉です。
茶道における湯の席だけでなく、大切な出会いの場に、人と人の縁をより深める道具として、そこに存在の許される作品として、一期一会の精神で挑戦し続ける作家です。
土との出会い、水を加えて練り上げ、火によって焼かれ、そこに、人、物、空間に対しての思いをも込めて、作品に対しても、一期一会。
同じ作品は出来ません。挑戦と出会いです。心を練り上げる作家と言っていいでしょう。
地元、尾道からの文化発信にも精力的に取り組まれ、陶芸を通じて人生の豊かさをも提案されています。
作家の思い
私は瀬戸(愛知県)で焼き物を学んだ
土にふれて四十幾年・・・・・・
私は あきることなく ずっと轆轤をまわしつづけてきた
そして
このごろ ふっと思うのです
「やきものにはその時々の顔があるなぁ・・・・・・」と若い時は随分と気負っていたなぁ と思う
そして自分のやきものは これからどんな顔をもつのだろうと・・・・・・私は胸に熱いおもいを秘めて土をねる・・・・・・
金野 光賀プロフィール
略歴
・加藤 タ氏に師事
・広島日展会会員
・日展入選
・日本新工芸展入選
・日本現代工芸展入選
・光風会展光風工芸賞受賞
・現代工芸中国展受賞
・広島県工芸作家協会理事
<青磁・粉引き・やきしめ・染付けなど手掛ける>
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